堺市教育委員会は13日、市立小学校で男子児童が「ぼけ」「かす」などの暴言を吐かれるいじめがあったとする第三者委員会の報告書を公表した。学校は市教委に報告せず、記録も残さず、被害者側に卒業証書も渡していなかった。
報告書によると、被害者は現在、中学3年生。小学4年生だった2017年冬、クラスメートからいじめを受け欠席。担任の調査で加害者側がいじめ行為を認めたため、被害者に謝罪させたが、被害者はその後、「チクったんか」と言われて精神的苦痛を受けた。5年生になっても嫌がらせは続き、18年5月から登校できないまま卒業した。
小学校は、被害者が4年生時に学校の「いじめ・不登校対策委員会」に担任がいじめを報告したにもかかわらず、正式な議事録は残していなかった。さらに、被害者に対し、卒業証書のほか、中学の入学式の案内書類や入学通知書も被害者側に渡さなかった。また、進学先の中学にはいじめについて引き継がず、加害児童と同じクラスにするよう引き継いだ。被害者は加害者の1人と同じクラスになった。
被害者の母親が2年前、第三者委員会による調査を市教委に申し立て、今年3月に第三者委が報告書を市教委に提出。市教委がその後に事実関係の確定などに時間が必要だったため、公表が10月になったという。
報告書では、4年生で服を引っ張られるなどしたことや5年生で「ぼけ」「かす」といった暴言を吐かれた2点をいじめと認定。学校が市教委に毎月提出する不登校児童生徒調査票を1度も提出せず、教育委員も確認を怠ったことを、問題があったと指摘した。
また、いじめの背景として…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル